本当にあったIT怖い話

この記事はmohizアドベントカレンダー7日目の記事です。

 

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昨日はshiranuikさんの ちょっと遅かった夏休みの振り返り でした。

 

shiranuik.hatenablog.jp

 

平和なアドベントカレンダー記事を書きたいと思っていますが、そうも行きません。

 

2020年は色々怖い1年でしたが、個人的に起きたIT怖い話をします。
ただし、この物語はフィクションです。
実際にこんな事件は起きてないし、起きてはいけない。


## オレンジジュース事件

2020年の夏の終わり頃の話。
作業をしているところに一本の電話が入る。

?「サーバが壊れたんで修理をしてくれ」

サーバが壊れた?昨日まで普通に動いてたのに?
いや、まぁ良いとは言えない環境で動いてたし、いきなり死んでもおかしくはないか...。
ということで某社内に設置している社内サーバの修理へと向かった。

社内サーバを確認しつつ何が起きたのか、聞き込みを開始した。
か「どういう状況で壊れたと判断したんですか?」
?「画面が映らないんだよ。いいから早く直せよ」
か「いや、そもそもこいつ(社内鯖)、モニタ接続してないんですけど」
?「は?じゃあなんで壊れてんだよ」
か「(...知らんがな)みたところ電源入ってないんですけど、シャットダウンしたんですか?」
?「掃除機かけようと思ってコンセント抜いた。」
?「そのあと、コンセント刺して電源ボタン押したけど画面がつかないからまたコンセント抜いてから刺した。」
か「!!??」
?「何回やっても画面が映らないから電話した。状況説明したし早く直して。」

 

直すもなにも、シャットダウンせずに電源ケーブルを抜き差ししたの?
しかもそれを繰り返したの??

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起きてしまったことは仕方ないので、とりあえずデータの復旧を試みることにした。
まず、今から行う作業を説明し絶対に手を出さないように。と念を押した。
しかしこれもまずかった。

ケースを空けて、ストレージを取り出す前に電源が入るかどうかをもう一度チェックした。
電源ボタンを押しても反応はない。
電源が完全に逝ったかなぁと思っていると、サーバから煙が上がった。
やばいなーと思いながら電源ケーブルを抜こうとした刹那、バシャー!っと音がした。
音の方を見ると、ドヤ顔の人間が立っている。
あろうことか、電化製品(というか精密機械)に液体をかけたのである。
しかも手にあるのは100%オレンジジュースである。
オレンジジュースをかけられたサーバは完全に帰らぬ人となってしまった。
涙を堪えつつ、ストレージを抜き出し、エアダスターで水分を飛ばしてから手元のPCと繋いでみるも
マウントされない。
ストレージも完全に逝ってしまった。

幸い、数日前にフルバックアップを取っていたのでなんとかなったが、なるべく早く次を見つけて会社を辞めよう。
そう心に誓った。

## 責任は誰にあるのか

数日後、完全に逝ってしまったサーバの代わりを買うために店に行った帰り道、また電話が鳴った。
嫌な予感がしながら番号を見るとクライアントさんからだった。
このクライアントさんは、例の社内鯖でサービスの一部を稼働させており、障害発生に関する報告をする話になっていた。
電話に出ると、開口一番めちゃくちゃ怒鳴られた。
話を整理すると、例の社内鯖が故障してサービスが止まった原因は私にあるという言い分だった。
か「ちょっと待ってください。障害発生とその対応報告書読んでないんですか?」
ク「だからあなたがメンテナンス中に壊したって書いてあるじゃないか!!」
か「あー」


やられた。
報告書は会社経由で提出した。
ちゃんとPDFで作成してたが、どうもすり替えられたらしい。
だからクライアントさんへの説明に参加しなくていいって言ってたのか...。
やられたことは仕方ないのでクライアントさんに詳細を説明した。
最初は聞く耳を持ってくれなかったが何度も説明してようやく理解してもらえた。
クライアントさんとは割と仲良くしておいたのがよかったらしい。
ク「いや、あなたが壊したって聞いた時はそれはないでしょって思ったけど、やっぱり違ったんだ。よかった」
か「いや、わかってくれたならよかったっス」
ク「あ、うちの代表も一言言いたいって言ってるから電話かわりますね。」
ク社「要約:もう会社やめてうちくるか?」
か「いや、やめときますw」

なるべく早くとか言ってられない。すぐにでも会社を辞めよう。
そう、心に強く誓った。


## 退職を前に

退職します。の一言で会社の態度が一気に変わった。
あからさまに情報を共有しない。
か「○○のデータがほしいんでクライアントさんに確認お願いします。」
?「はいはーい」
返事はくれるものの、データはくれない。
一番ひどかったのは、退職しますって伝えて結果、賞与がなかったこと。
このあたりは訴えればなんとかなりそうだけど、裁判とかめちゃくちゃめんどくさいので諦めた。
最後の1ヶ月はほとんど仕事もせずに家でゴロゴロしていた。
流石に仕事しないとと思い、業務委託を始めた。
今はそこそこ食べられてるし、やりがいもある。
なにより、サーバにオレンジジュースをかける人はいない。


## 退職その後

2020年9月に退職して、約1ヶ月が経った頃、前社から電話がきた。
内容を聞くと、どうでもいいことだったので「もう退職してるので」で断った。

それからさらに1月程経って、業務委託で仕事をしてくれと言われた。
業務内容はブラウザでぽちぽちやるだけの作業だったので、1万円ならいいっすよ。と伝えた。
金額でだいぶゴネたものの、意外とOKしてきた。
実際に作業をして、検修も済み、請求書も受け取ったので今月末日に振り込まれるはずである。

請求書を受け取ったってメールに別件の相談があったので、単価を爆上げして返事しておいた。
今日(2020年12月7日)時点で返信はない。
返信があったら追記する。


## 最後に

新卒でも中途でも就職する時は、その会社で一番権力を持っている人間(基本的には代表)が
ITの知識があるかどうかを見極めた方がいい。
仮に知識がなくても、全部お任せして、一切手も口も出さずに、お金を出してくれるタイプならギリセーフ。
基本的には全部お任せしてくるのに口は出すは手も出すタイプは気をつけよう。
お金を出してくれないからって自腹を切るのは誰も幸せにならないので絶対にやめよう。

それではみなさん良いお年を。

 

明日はMATTENNさんの  本当にあったIT怖い話 スピンオフ です。